
離乳食が始まる5〜6ヶ月ごろ。
「そろそろかな?」とワクワクしつつも、
「ほんとにこれでいいの?」「全然食べない…」
そんな不安や戸惑いが一気に押し寄せてくる時期ですよね。
保育園で多くの赤ちゃんやママと関わってきた中で
“初期がいちばん悩みやすい”といつも感じています。
- 食べない
- べーっと出す
- 進まない
- 作るのが大変
- 量が少なくて“不安の種”になる
- ネット情報が多すぎて迷う
これ、全部“普通”です。
むしろ、悩まないママのほうが少ないと思います。
だからこそ、この記事では
「初期に本当に必要だったものだけ」
を、保育園看護師として、そして3児の母として
どちらの視点からも厳選してまとめました。
便利グッズは“手抜き”ではありません。
ママが疲れすぎずに離乳食を続けるための
大切なツールです。
そして忘れないでほしいのは、
初期の離乳食は“食べる練習”の時期である
ということ。
食べなかった日があって当然ですし、
うまくいかない日は“成長している証拠”でもあります。
まいこ@保育園看護師まま少し肩の力を抜きながら、あなたに合ったスタイルで進められるよう、すこし専門的な視点も交えて丁寧に解説していきますね。


離乳食初期(5〜6ヶ月)の特徴と“食べない理由”


まず最初に知っておいてほしいのは、
この時期の赤ちゃんが食べないのは自然なこと
ということです。
舌の動きがまだ未熟
赤ちゃんは生まれてから数ヶ月は
「乳首を吸うための舌の動き(前後運動)」が中心。
離乳食初期で初めて「飲み込む」「すりつぶす」を学びます。
そのため、ペーストを口に入れても
反射的に“べーっ”と前へ押し出してしまうことがあります。
これは嫌いなのではなく、舌の発達途中です。
姿勢が安定していない
腰が据わっていないと、飲み込みづらくなりやすい。
椅子が合っていなかったり、背中が丸くなっていると
口を閉じるのも難しく、食べにくくなります。
量は「ティースプーン1杯で十分」
実は、初期は1回量がとても少なく、
“慣れる”のが目標。
だから「食べなくて当然」「食べたらラッキー」くらいの気持ちで◎。
初期は“がんばらなくていい”


保育園でも、初期は
「スプーンに慣れたらOK」
「口を開ける経験ができたらOK」
という目線で見ています。
だからこそ、毎日の準備で疲れ切ってしまうより、
少しでもラクになる便利グッズを使った方が、
赤ちゃんにとってもママにとってもプラス。



ここからは、実際に使って“あると本当に助かった”ものだけをご紹介します。
離乳食初期(5〜6ヶ月)に本当に役立つ便利グッズ10選


1. 裏ごし器(こし器)
初期の滑らかさは
「食べられるかどうか」を大きく左右します。
裏ごしを丁寧にすると、赤ちゃんの飲み込みがぐっとラクに。
- ポタージュ状が作りやすい
- クセがなく食べやすい
- 素材の繊維を取り除ける
ブレンダーよりも“滑らかさが安定しやすい”ので、
初期の1ヶ月は特に大活躍します。
2. ハンドブレンダー
裏ごし器の次に便利なのがブレンダー。
- とにかく時短
- 大量調理に向いている
- ストック作りが楽
初期はおかゆや野菜ペーストの量が多く、
ブレンダーがあると雲泥の差。
裏ごしとの“併用”が最強です。
3. 製氷皿・小分けトレー(フタ付き)
初期は 10mL・15mL など小さな単位で凍らせられるものが便利。
- 必要な量だけ解凍できる
- 食材ごとに分けられる
- 離乳食が進んでもずっと使える
「今日はにんじんを10mLだけ」「おかゆを20mLだけ」
といった初期特有の使い方がしやすいです。
4. 初期用スプーン(細くて浅いタイプ)
口に入る部分の形は、本当に重要。
初期におすすめなのは
“薄くて浅いスプーン”。
- 赤ちゃんが舌で押し出しにくい
- 口に軽く触れるだけで優しく入る
- 深いスプーンより飲み込みやすい
スプーン1つで“食べやすさ”が全然違います。
5. 電子レンジOKの耐熱容器
初期は少量を温めることが多いので
“こまめな解凍”が必要になります。
- 1回食べ切り量がちょうどいい
- ガラスならにおい移りなし
- 電子レンジでそのまま温められる
忙しくてもすぐ準備できます。
6. ベビー麦茶
安心して使えるのが ベビー麦茶。
- 赤ちゃんでも飲めるように薄めの風味
- 水分補給にも使える
- 少しだけ香りがあることで“食材になじみやすい”ことも
赤ちゃんの負担なく使えるのがベビー麦茶の良いところです。
7. スケール(小さじ・計量スプーン含む)
初期はとろみが命。
- おかゆの水分調整
- ペーストの濃度調整
- 初期の“食べやすい質感”作りに必須
「昨日と同じつもりで作ったけど固い…」
こんなストレスを防げます。
8. 切れ味のよい調理バサミ
意外と便利なのが調理バサミ。
- 野菜スティックの最終調整
- つかみ食べ前の準備
- ストックの“ちょっと大きい部分”をカット
包丁を出したくないときの救世主。
9. 洗いやすい食器(シンプルな形)
初期は量が少ないのに
食器だけ大量に使ってしまいがち。
- 凹凸が少ない
- 匂いがつきにくい
- 衛生的に保ちやすい
長く使うものだからこそ、洗いやすいものが一番です。
10. ベビーチェア + 姿勢調整グッズ(タオルなど)
椅子選びは“食べる姿勢”に直結します。
本当に大事なのは
足がつくこと・体がまっすぐ保てること。
- 腰が安定しない → 飲み込みにくい
- 背中が丸い → べーっと出しやすい
- 足が浮いている → 落ち着かない
タオルで背中を支えるだけでも食べやすさが変わります。
便利グッズの選び方


- 衛生的に使えるか(洗いやすさ・乾きやすさ)
- とろみや滑らかさが作りやすいか
- 毎日使っても疲れないか(時短になるか)



離乳食初期は、“とにかくシンプルで扱いやすいもの”を選ぶのが良いかと思います。
今日からできる離乳食初期の時短ルーティン


① 週末にストック作り
離乳食初期は、毎回ゼロから調理すると本当に負担が大きい時期。
でも、週末の30分だけ“まとめて作る”時間をつくるだけで、平日の大変さが一気に軽くなります。
- 野菜3種類(にんじん・かぼちゃ・じゃがいも など)
- 炭水化物(10倍がゆ)
- たんぱく質(豆腐・白身魚を少量)
これらをまとめて裏ごし → 冷凍。
「今週のラインナップ」が決まっているだけで、月〜金の負担が激減します。
② 小分け冷凍 → 必要分だけ解凍する
初期の量は、ほぼ10mL〜20mL。
だから、大きな容器に入れるより “1回分ずつ” 冷凍しておく方が圧倒的にラクです。
- 製氷皿(10mL×複数)
- 小分け冷凍トレー(フタ付き)
を使うと、
- 解凍が早い
- 量がわかりやすい
- 食べられなかった分の無駄がない
とメリットだらけ。
“使いすぎない量”が初期はちょうどいいです。
③ お皿は必要最低限にする
離乳食期は「意外と洗い物がしんどい…」という声が本当に多いです。
初期はまだ「食べ比べ」や「取り分け」がほぼないので、
お皿は1〜2枚に厳選してOK。
むしろ、最初は小皿ひとつでも十分です。
洗い物が減るだけで、
「やらなきゃ」という精神的な負担もぐっと減ります。
④ 食べられなくても“1口でOK”
初期は“栄養”ではなく “口の動きの練習” が目的です。
だから、
- ベーッと出してもOK
- スプーンを噛んでもOK
- 半分以上残してもOK
「1口食べられたら100点満点」くらいの気持ちで大丈夫です。
ママが笑顔で終われるほうが、実は何より大切。
翌週、翌月にはびっくりするほど食べられるようになります。
⑤ ベビーチェアの姿勢を整える
初期の子は、まだ体の軸が安定していません。
だからこそ 姿勢を整えると“飲み込みやすさ”が劇的に変わります。
ポイントは3つ:
- 足がついている(ぶらぶらしない)
- 腰が倒れすぎない(深く座らせる)
- テーブルと口の距離が近い(すくいやすくなる)
これだけで、
- むせにくい
- スムーズに飲み込める
- 集中しやすい
とメリットがたくさん。
「なんか食べづらそうだな…?」の理由が
“姿勢”ということはとても多いです。
よくあるQ&A


Q. どれくらい食べれば大丈夫?



A. “ティースプーン1さじ” からで十分です。
離乳食初期は、量よりも“雰囲気に慣れること”がいちばん大事な時期。
「これだけでいいの…?」と思うかもしれませんが、
むしろそれくらいのペースでちょうどいいと思ってOKです。
Q. べーっと出してしまいます。嫌いってこと?



A. ほとんどの場合は “発達の流れ” であり、嫌いとは限りません。
初期の赤ちゃんは、まだ舌で前に押し出す動きが強く残っています。
味が嫌いというよりも、
“食べ物を口に入れることに慣れる途中” のサインなんです。
何度か続けていくうちに、自然と変わっていきますよ。
Q. 母乳やミルクは減らしたほうがいい?



A. 初期のうちは、減らさなくて大丈夫です。
この時期の赤ちゃんの主食は、あくまで 母乳・ミルク。
離乳食は“練習”の意味合いが強いので、
いつも通り飲ませてあげて問題ありません。
「離乳食が始まったのに全然減らない…」というのは
むしろ自然なことなんです。
Q. なかなか進みません…。大丈夫でしょうか?



A. 大丈夫です。むしろ “進まないのが普通” と思ってOKです。
初期は、1〜2ヶ月かけてゆっくりステップアップする時期。
毎日食べられなくても、量が変わらなくても、
その子のペースで進んでいけば問題ありません。
ママ・パパが焦らなくていいように、
離乳食は最初から“ゆっくりでいい”ようにできているんです。
初期は“赤ちゃんもママも慣れる時期”。便利グッズは心の余裕につながる


離乳食初期は
「食べることを学ぶ」
「姿勢を整える練習をする」
そんな発達の土台づくりの時期。
だからこそ、
ママが疲れすぎないことが本当に大切です。
便利グッズに頼ることで
- 準備がラクになる
- 滑らかさが安定する
- 食べやすくなる
- ママの気持ちの余裕が増える
これは赤ちゃんにとっても
大きなメリットになります。
今日のあなたのがんばりは、
赤ちゃんの「食べる力」を確かに育てています。



ひとつでいいので、あなたと赤ちゃんのペースで進めていきましょう。










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