はじめに ―「離乳食って、こんなにしんどいの?」と思っているあなたへ

離乳食が始まる頃、周りのママたちは「大変だよ~」と言いつつも、なんだかんだ楽しそうに見えたり、SNSではかわいい離乳食プレートが並んでいたり…。
その一方で、自分の現実はというと、
- 全然食べてくれない
- 手作りもベビーフードも拒否
- 床もイスも自分の服もぐちゃぐちゃ
- 作っても作っても食べてくれない
- 「私の作り方が悪いの?」という不安
- 「栄養、足りてないかも」という焦り
……そんな気持ちに押しつぶされそうになっていませんか?
もしあなたが今、「もう離乳食つらい」「毎日泣きそう」と思っているなら、それはあなたが“真剣に向き合ってきた証拠”です。
育児の専門職として働いていても、ママになったら同じように悩みます。
むしろ知識があるほど「ちゃんとしなきゃ」と苦しくなることもあります。
まいこ@保育園看護師ままだからこそ、この記事では 上手くいかなくて当たり前の離乳食、そして 少し心が軽くなる考え方 を、お伝えしたいと思います。
1. 「食べない日があっても大丈夫」そう思えるだけで心がふっと軽くなる


離乳食の相談で一番多いのは「食べてくれない」「進まない」という声です。
でも、実は“食べない赤ちゃん”は珍しくありません。
赤ちゃんが食べない理由には…
- 食べること自体がまだ得意じゃない
- そもそもお腹がすいていない
- 始めての味や食感に戸惑う
- 食事に集中できるほど発達していない
- 気分がのらない
- 出されるテンポが早い/遅い
- 眠い、疲れた、暑い、寒い
など、ほんのちょっとしたことのことが多いです。
大人の視点だと、どうしても
「食べない=栄養が足りない」
「食べない=私の作り方が悪い」
と思いがちですが、赤ちゃんにとってはもっとシンプル。
“今は食べる気分じゃない”
ただそれだけのことが、多いのです。
そして実は、どれだけ順調に見える家庭でも、悩みが多いのが離乳食。



「食べない時期はあるもの」と知っておくだけで、あなたの心はぐっと楽になります。
2. 手作りかベビーフードかは「あなたの心がラクなほう」でいい


離乳食期になるとよく見かける悩みが、
- 「手作りじゃないとダメ?」
- 「ベビーフードばかりで罪悪感」
というもの。
でも、これは断言できます。
ベビーフードは“手抜き”ではなく“育児を続けるための道具”です。
栄養バランスが整っていて、衛生的で、原材料がシンプルな商品も多い。むしろ安心感があります。
もしあなたが、
- 手作りをがんばりすぎてヘトヘト
- 作るたびに「食べてくれない」と落ち込む
- 冷凍ストック作りが苦痛
そんな状態になっているなら、
ベビーフードを使うことで笑顔が戻るほうが、何倍も価値があります。
手作りとベビーフードを組み合わせて、



“あなたが続けやすい形” を見つけることが大切です。


3. 「食べない=あなたのせい」ではない


離乳食がつらくなる原因のひとつは、
すべて自分の責任だと思ってしまうこと。
赤ちゃんが食べない姿を見るたびに、
- 私の味付け?
- 椅子の高さ?
- 調理の仕方?
- メニューの組み合わせ?
と、延々と自分を責め続けてしまうママは多いです。
でもね、
あなたが丁寧に準備していることは、赤ちゃんはちゃんと感じています。
結果として食べたかどうかだけで、
“ママのがんばりの価値”を決めなくていいんです。
赤ちゃんは「おいしい」「おいしくない」で判断しているわけでもなく、あなたの愛情を試してもいません。
ただ、今、食べない気分。
ただ、それだけです。
あなたは悪くない。



むしろちゃんと向き合っているからこそ悩むんです。
4. つらい日は、“やらない”という選択肢があっていい


1日くらい離乳食を休んでも、赤ちゃんは困りません。
むしろ、毎日「ああ、また食べてくれない…」と落ち込むより、
- 今日は休む
- ミルクや授乳だけにする
- 気持ちをリセットする
このほうがずっと健全です。
育児において一番大切なのは
ママの心が折れないこと。
離乳食を作って泣いてしまう日があるなら、
それは心が「休みたい」と言っているサイン。
その声を無視してがんばり続ける必要はありません。


5. 他の子と比べなくていい ― 発達にはペースがある


離乳食はどうしても比較されやすい分野です。
- 友達の子はどんどん進んでるのに…
- SNSの赤ちゃんは上手に食べてる…
- 同じ月齢なのにうちだけ進まない…
そう感じて落ち込んだことはありませんか?
でも、赤ちゃんの発達は本当に個性だらけ。
寝返りが遅い子、歩くのが早い子、しゃべるのがゆっくりな子がいるように、食べ始めも好き嫌いも、その子のペースがあります。
あなたの赤ちゃんは“あなたの子”であって、
他の子のコピーではありません。



その子のペースで見守るようにしましょう。
6. 離乳食は「栄養」ではなく「経験」だと思っていい


離乳食期は“ミルク・母乳がメイン”です。
つまり、離乳食はまだ「補助」。
それよりも、
- 口の中に入れる感覚
- モグモグやゴックンの動き
- 食べ物を触る
- 椅子に座る
- スプーンを見る
- 匂いを感じる
こうした 「食事に慣れるための経験」 が中心です。
量が食べられなくても、
なめても、触っても、ぐちゃぐちゃにしても、
それは全部、立派な“食経験”。
このような経験を通して成長していくのです。
7. 「つらい」と思ったら、それは立派なSOS


離乳食がつらいと感じるのは、あなたが弱いからではありません。
むしろ、毎日向き合ってきたあなたが“限界を迎えた”というサインです。
- パートナー
- 実家
- 友人
- 保健師
- 小児科
- 離乳食教室
- SNSのコミュニティ
- 私のような専門職ママ
頼れるところは、全部使っていいんです。
離乳食はママがひとりで背負うものではありません。



話を聴いてもらうだけでも気持ちが楽になることもあります。
8. いま、苦しいあなたへ伝えたいこと


最後に、これだけは忘れないでください。
離乳食が嫌になるほどがんばってる自分を、どうか責めないで。
あなたは手を抜いてきたわけでも、
赤ちゃんを大切にしていないわけでもありません。
むしろ、毎日落ち込みながらも
「どうしたら食べてくれるかな」
「今日は何を作ろう」
「この子に合うものはなんだろう」
そう考えてここまで来たあなたは、
本当にすばらしいママです。
赤ちゃんは、あなたの愛情の中ですくすく育っています。
離乳食が上手くいっているかどうかは、ママとしての価値とは関係ありません。
あなたが笑っている日が多いほうが、赤ちゃんも嬉しい。
離乳食は長い戦いのように見えて、実はたった数カ月。
気がついたら、幼児食になり、大人と同じものを食べられるようになります。
だから、今だけは…
どうか、完璧を求めすぎないで。
つらい日は手を止めていい。
迷ったら、誰かを頼っていい。
そして、自分を責めないで。



あなたはもう、十分がんばっています。








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