
乾燥していると思いきや湿疹が・・
なにかお家でできるケアないかしら?



保育園で看護師として働く私のもとにも、毎日のように肌トラブルの相談が寄せられています。
今回は、そんなお悩みにお応えする形で、赤ちゃんの肌トラブルの原因と、自宅でできる簡単で実践的なケア方法をご紹介します。
赤ちゃんの肌は、大人とは違いとてもデリケート。
ちょっとした刺激でも赤くなったり、乾燥したり、湿疹が出たりと、肌トラブルに悩まされるママも多いのではないでしょうか。
日常生活の中で無理なく取り入れられることばかりですので、ぜひ参考にしてください。
赤ちゃんの肌トラブルってどんなもの?
赤ちゃんによく見られる肌トラブルには、以下のようなものがあります。
・乳児湿疹(新生児ざ瘡)
・乾燥肌
・あせも
・おむつかぶれ
・よだれかぶれ
・アトピー性皮膚炎
これらは、皮膚のバリア機能が未熟な赤ちゃんだからこそ起こりやすいトラブルです。
生後すぐは皮脂が多くても、生後2〜3ヶ月以降は皮脂の分泌が急激に減少し、乾燥しやすい肌になります。
肌トラブルの原因は?
①バリア機能の未熟さ〜赤ちゃんの肌は“守る力”が弱い〜
赤ちゃんの皮膚は、大人と比べて約1/2の厚みしかないことをご存じですか?
皮膚は「外部の刺激から体を守る」「水分の蒸発を防ぐ」という重要な役割を果たしていますが、赤ちゃんの肌はこのバリア機能がまだ未成熟です。
そのため、少しの刺激でも炎症が起きやすく、乾燥・湿疹・かぶれなどの肌トラブルにつながりやすくなります。
看護の立場から見ると、皮膚のバリア機能が弱いことで感染症のリスクも上がるため、肌トラブルは単なる見た目の問題ではありません。



早めのケアで「守る力を補う」ことが大切です。
②よだれ・汗・摩擦などの日常的な刺激
毎日の生活の中には、赤ちゃんの肌にとって刺激になるものがたくさんあります。
- よだれ:口周りの肌荒れ(よだれかぶれ)は、よだれに含まれる消化酵素が皮膚を刺激することで起きます。
- 汗:汗腺が未発達な赤ちゃんは体温調節がうまくできず、あせもができやすいです。とくに首やおむつ周りなどの皮膚が重なる部分は注意が必要。
- 摩擦:タオルでゴシゴシ拭いたり、衣服の縫い目が肌に擦れたりすることでも赤くなったり湿疹ができたりします。



「皮膚の清潔と乾燥予防」「物理的刺激の軽減」がケアの基本です。
濡らしたガーゼで優しく拭き、拭いたあとは保湿でしっかりバリアを補うという手順が大事になります。
③季節の影響
赤ちゃんの肌は、気温や湿度の影響を大きく受けます。
- 冬:乾燥によるカサカサ肌や粉ふき → 暖房で室内が乾燥しやすく、水分が失われやすい。特に頬やすねなどが粉をふくように白くなりがち。
- 夏:汗やあせも、湿疹 → 汗をたくさんかくのに、汗腺が未発達。首や背中、おむつ周りなどにあせもができやすくなります。
- 春・秋:寒暖差による皮膚のバランスの乱れ → 朝晩の寒暖差により、肌が敏感に反応。乾燥やかゆみが出やすくなる季節。
また、花粉や黄砂などのアレルゲンが飛びやすい時期は、アトピー性皮膚炎の悪化にもつながることがあります。



「生活環境を整えること=予防ケアの第一歩」です。
空気清浄機や加湿器の使用、衣服の素材の見直しも効果的です。
看護師ママが教える!自宅でできる肌トラブルのケア方法
1)毎日の保湿ケアは「朝・夜2回」が基本
乾燥を防ぐためにはこまめな保湿が第一。
入浴後だけでなく、朝の着替えの時にも保湿を取り入れることで、日中の乾燥を防ぎやすくなります。
入浴後5分以内に保湿する(皮膚が乾く前がベスト)
赤ちゃんの肌は、大人に比べて水分を保つ力が弱く、入浴後は一時的に肌の水分量が上がりますが、そのまま放置するとすぐに蒸発しやすい状態になります。
入浴後5分以内に保湿することで、肌に残っている水分をしっかり閉じ込め、乾燥を防ぐことができます。
これは医療現場でも、スキンバリアを保つケアの基本とされています。



水分保持と経皮水分喪失の予防が大切!
顔、体、手足までしっかり塗る
赤ちゃんは全身の皮膚が薄く、どの部位も刺激に弱いため、部分的な保湿ではバリア機能に差が出て、トラブルの原因になります。
特に関節のくびれ部分(首・肘・膝の裏)や、おむつの縁など摩擦が起きやすい場所も忘れずに塗ることが大切です。
日常的に全身をケアすることで、予防的な肌トラブル対策につながります。



全身の皮膚バリアを均一に保つことが大事!


優しく“押さえるように”塗る(こすらない)
こすって塗ると、未熟な角質層がダメージを受けて、バリア機能がより低下する可能性があります。
看護ケアでも、皮膚が敏感な患者には「こすらず優しく塗布」が原則。
赤ちゃんにも同様で、手のひらで温めた保湿剤をやさしく押さえるように塗ることで、皮膚刺激を最小限に抑えながら浸透させられます。



摩擦による角質損傷の予防が大事!
2)お風呂での洗い方を見直す
実は、洗いすぎも肌トラブルの原因になることがあります。
汗や汚れを落とすことは大切ですが、洗浄力の強すぎる石けんは必要ありません。
ガーゼや手のひらで優しく洗う
赤ちゃんの皮膚を傷つけないよう、ナイロンタオルやスポンジは避けましょう。
やわらかいガーゼやママ・パパの手のひらで、なでるように洗うのが基本です。



摩擦を最小限にすることで、肌のバリア機能を守ることができます。
洗浄剤は無香料・低刺激のものを選ぶ
皮膚への刺激を減らすため、赤ちゃん専用の無香料・無着色・低刺激性のボディソープがおすすめです。
洗浄力が強すぎるものは必要な皮脂まで奪ってしまい、乾燥や炎症の原因になります。
洗浄剤は泡立ててから使用し、肌に直接つけないように注意しましょう。
湯温は38〜39度程度、長湯しすぎない
高すぎる湯温は皮脂を過剰に奪い、低すぎると体が冷えて免疫力を下げてしまいます。
38〜39度程度のぬるめの湯が理想です。
また、長時間の入浴は乾燥を招くため、入浴時間は10分以内を目安に。



入浴後は、5分以内に保湿ケアを行うことで水分の蒸発を防ぎます。
3)衣類やタオルの素材も大切
意外と見落としがちなのが衣類による刺激。
化学繊維や硬い生地は肌を傷つけてしまうことも。
綿素材のやわらかいタオルや肌着を選びましょう。
洗剤・柔軟剤の残留も肌荒れの原因に
衣類に残った洗剤や柔軟剤は、赤ちゃんの薄い皮膚にとって刺激となり、かゆみや湿疹の原因になることも。
特に首元や関節の内側など、汗がたまりやすい部分は影響を受けやすいため、洗剤の量は適量にし、すすぎは十分に行うことが大切です。



敏感肌の子は「洗剤残り」により皮膚炎になってしまうことも。
無添加の洗濯洗剤に変えてみる
添加物や香料が含まれる洗剤は、肌に刺激を与える可能性があるため、無添加・無香料の洗濯洗剤がおすすめです。
医療現場でも、アレルギーのある子どもには低刺激の洗剤を使用することが多く、家庭でも同じ視点での配慮が重要です。
タオルはふわふわの綿100%を
タオルの素材も肌への影響が大きいため、吸水性が高く、肌あたりのやさしい綿100%を選びましょう。
ゴワついたタオルは摩擦を生み、皮膚のバリアを傷つける原因に。



洗濯後は柔軟剤に頼らず、日陰干しや乾燥機でふんわり仕上げるのが理想です。
4)おむつかぶれ・よだれかぶれの予防
おむつやスタイの下は常に湿気がこもりがち。
こまめな交換や、スキンケアの見直しが必要です。
おむつ交換時に毎回ワセリンや保湿剤でバリアをつくる
おむつかぶれは、尿や便の刺激、こすれによって起こります。
おむつ交換のたびにワセリンなどの保湿剤を塗って、あらかじめバリアを作ることで、皮膚への刺激を最小限にできます。



病院や保育施設でも、皮膚トラブルの多い子には「予防的スキンケア」が推奨されます。
よだれをこまめにふき取る+保湿
よだれかぶれは、皮膚がぬれたままになり、乾くときに肌の水分も一緒に奪われてしまうことが原因です。
ガーゼなどで優しく押さえるように拭き取り、その後に保湿を行うことでバリア機能を保てます。



看護ケアでも「拭く+保湿」をセットで行うことが基本です。
スタイをこまめに交換
濡れたスタイをそのままにしておくと、肌が長時間湿った状態になり、炎症を起こしやすくなります。
吸水性のよいスタイを選び、こまめに交換して清潔・乾燥を保つことで、よだれかぶれのリスクを減らせます。



保育園でも、スタイの交換回数を増やすことで肌状態が改善する子は多いです。
看護師として伝えたい「観察」の視点
看護の現場では「皮膚の観察」が基本です。
お子さんの肌を見るときは、以下のポイントに注目してみてください。
- 赤み・発疹の有無や広がり方
- 乾燥して白く粉をふいていないか
- かきこわし・引っかき傷がないか
- 機嫌が悪い・夜泣きがひどい(かゆみのサイン)
これらを意識することで、ただ「保湿する」だけでなく、早めに変化に気づいて対処することができます。
日常生活で気をつけたいこと
赤ちゃんの肌を健やかに保つためには、スキンケアだけでなく生活環境にも配慮することがとても大切です。
以下のポイントを意識することで、肌トラブルの予防につながります。
室内の湿度を保つ(50〜60%)
赤ちゃんの肌は乾燥しやすく、湿度が40%以下になると皮膚の水分が蒸発しやすくなり、バリア機能がさらに低下します。
看護の現場でも、乾燥による皮膚トラブルを防ぐために湿度管理は重要視されています。
自宅では加湿器や濡れタオルの活用で、50〜60%の湿度をキープするのが理想的です。
ベビーカー・チャイルドシートの背中の汗対策
背中は汗をかきやすく、特にベビーカーやチャイルドシートは通気性が悪くムレやすいため、あせもやかぶれの原因になります。
発汗後の肌を放置することで菌の繁殖やかゆみを引き起こすリスクもあるため注意が必要です。
・汗取りパッドを使う
・こまめに背中をチェックし、必要に応じて着替えさせる
といったケアが肌を守るポイントです。
冬場の加湿器や夏場の冷房対策
季節ごとの対策も肌トラブル予防には欠かせません。
・冬場は空気が乾燥しやすいため、加湿器で湿度を保つことが重要
・夏場は冷房の風が直接当たらないように配慮し、冷えすぎを防ぐことも大切



冷房で皮膚が乾燥しやすくなるため、夏でも保湿ケアを怠らないようにしましょう。
皮膚トラブルが続く場合は皮膚科受診も検討
家庭でのスキンケアや環境対策をしても改善しない場合は、皮膚科の受診をためらわずに。
特に、かゆみで眠れない・皮膚がジュクジュクしている・繰り返す湿疹などは、早めの医師の診断・治療が必要です。



「もう少し様子を見よう」と対応が遅れて悪化するケースもあります。
皮膚の状態を観察し、早めに専門家に相談する判断力も、育児には欠かせないポイントです。
まとめ
赤ちゃんの肌トラブルは、成長とともに変化していきますが、正しい知識とケアで多くのトラブルは予防できます。
看護師として、そして子育て中のママとしての実体験からお伝えしたいのは、
「肌を守るのは、日々のちょっとしたケアの積み重ね」ということ。
まずは今の生活の中で、できることから少しずつ取り入れてみてくださいね。
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