子育て看護師が直面する3つの壁

看護師という仕事はやりがいがあり、人の役に立てる誇りがあります。
ですが、子育てをしながら働こうとすると、どうしても「壁」にぶつかる瞬間がありました。
特に感じたのは次の3つです。
1. 夜勤がある勤務形態のつらさ
病棟勤務では夜勤が避けられません。
子どもを寝かしつけた後に家を出るときの罪悪感、夜勤明けのぼんやりした頭での育児…。
私自身も夜勤と子育てを両立させるために、主人と交代で子どもを見たり、院内託児所を利用したりしました。
しかし、心も体もギリギリの状態で、常に「誰かに迷惑をかけている」という後ろめたさを感じていました。
2. 保育園や家庭との両立の難しさ
保育園からの「お熱が出ました」の電話が鳴ると、頭の中は真っ白に。
忙しい勤務の中で「今すぐ抜けられるのか」「同僚にどう伝えよう」と葛藤が走ります。
とくにシフト勤務の職場だと、周囲にフォローをお願いすることが多くなり、肩身の狭さを感じがちでした。
3. 職場の理解不足・人間関係の悩み
理解ある同僚に恵まれることもありますが、すべての人がそうとは限りません。
「子どもが熱を出すのは仕方ない」と分かってもらえる人ばかりではなく、「また休むの?」という視線を感じることもありました。
子育てをしながら働く看護師にとって、人間関係や職場の理解度は大きなカギになります。
私が転職を考えたきっかけ【体験談】
ここからは、私自身の経験を少しお話しします。
子どもの急な発熱でシフトを代わってもらえず苦しかった
当時、長男は3歳、長女は2歳。
保育園に通い始めてからは熱を出すことも多く、突然の呼び出しも珍しくありませんでした。
ある日、子どもの熱が高く「すぐに迎えに来てください」と連絡を受けたのですが、その日は人員がギリギリで「今日は抜けられない」と言われてしまいました。
結局、主人に頼みましたが、心の中には「母親なのにそばにいられない」という深い罪悪感が残りました。
夜勤明けに育児で体力が限界だった
夜勤明けでフラフラのまま、昼間は保育園のお迎えや家事をこなす。
休む間もなく母親モードに切り替える毎日は、心身ともに追い詰められていきました。
「頑張るのが当たり前」と思っていましたが、今振り返ると、自分本位な考え方に縛られていたのだと思います。
「このままでは両立できない」と感じた瞬間
同期がキャリアを積み、専門資格を取得していく姿を見るたびに「私も遅れてはいけない」と焦りがありました。
でも、現実には子どもとの時間も削られ、息子から「ママがいなくて寂しかった」と言われるたびに胸が痛みました。
このとき初めて「転職を考えるのは甘えじゃない。むしろ、働き続けるために必要な選択肢かもしれない」と思えたのです。
子育て中の看護師におすすめの働き方
転職を意識し始めてから調べたのが、「子育てしながら続けやすい働き方」でした。
代表的なのは以下の3つです。
クリニック勤務(日勤のみ)
診療時間が決まっており、夜勤がありません。
土日休みのクリニックも多く、生活リズムを整えやすいです。
ただ、中抜けの時間があったり、午後診終了時間が保育園のお迎え時間に間に合わないところも多く断念しました。
訪問看護(フレキシブルな勤務)
利用者宅に訪問するため移動はありますが、直行直帰ができたり、勤務時間を調整しやすかったりします。
家庭との両立に向いている働き方です。
オンコールがある事業所がほとんどで、夜間の急な訪問の際には家族間の連携が必要になります。
オンコール免除でいいと言われ入職したものの、自分以外の数少ないメンバーでオンコールを回しているところをみると、申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。
保健師・企業看護師(夜勤なし)
企業の健康管理室や自治体で働く保健師は、基本的に日勤のみ。
保育園時間内の勤務時間がほとんどで、育児と仕事のバランスを取りたい人には大きな魅力です。
転職を考えることは甘えじゃない
「辞めたい」と思ったとき、自分を責める看護師さんは少なくありません。
私もそうでした。
でも、転職は「逃げること」ではなく「続けるための工夫」です。
- 子どもを大切にするため
- 自分の体や心を守るため
- 看護師として長く働き続けるため
そのために働き方を変えることは、前向きな選択だと思うのです。
まとめ|まずは情報収集から始めてみよう

子育てと看護師の両立は、本当に大変です。
ですが、「転職=すぐ辞める」ではなく、「働き方を見直す一歩」と考えてみると心が軽くなります。
私自身、転職を考えたことで「もっと広く、大きく構えてよかった」と思えるようになりました。

いま子育てと仕事の間で悩んでいる方も、まずは情報収集から始めてみてください。
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