秋の乾燥対策で子どもの風邪予防|肌と喉を守る家庭のケア法

目次

はじめに

朝晩が冷え込み、空気が乾燥しはじめる秋。

大人でも肌のカサつきや喉のイガイガを感じやすい季節ですが、実は子どもはもっと乾燥に弱いことをご存じでしょうか。

私自身、保育園で看護師として働く中で「秋になると風邪をひきやすくなる」「夜中に咳き込むようになった」という相談をたくさん受けてきました。

原因のひとつは“乾燥”。

乾燥は肌荒れだけでなく、喉や鼻の粘膜を弱らせ、風邪や感染症にかかりやすくしてしまいます。

この記事では、秋の乾燥が子どもの体にどのような影響を与えるのか、そして家庭でできる具体的な対策についてまとめます。

まいこ@保育園看護師まま

すぐに取り入れられる工夫ばかりなので、ぜひご家庭で実践してみてください。

秋に子どもが風邪をひきやすい理由

1. 空気の乾燥で粘膜が弱る

  • 秋になると湿度が一気に下がり、空気は夏の半分ほどの水分量になる
  • 鼻や喉の粘膜は本来、ウイルスや細菌をキャッチして体内に入らないよう守る役割がある
  • 乾燥すると粘液が減って粘膜がカサカサになり、ウイルスをブロックする力が弱まる
  • 特に子どもは粘膜が大人より薄くデリケート
  • 口呼吸の習慣がある子は喉が乾きやすく、風邪や咽頭炎のリスクが高まる
まいこ@保育園看護師まま

室内加湿や水分補給をこまめに行い、「喉を潤す習慣」をつけることが予防につながります。

2. 朝晩の寒暖差による自律神経の乱れ

  • 秋は昼は暖かくても、朝晩はぐっと冷え込む日が多い季節
  • 1日の寒暖差が10℃以上になることも
  • 体温調節を担う「自律神経」は、大人でも乱れやすい
  • 未発達な子どもにとっては大きな負担となり、結果的に免疫機能が落ちやすくなる
  • 「朝は冷え込んでいるのに薄着で登園」「帰り道は汗をかいて体が冷える」などの環境の変化も、体調を崩す原因に
まいこ@保育園看護師まま

重ね着で温度調整しやすくする、帰宅後は汗をかいた服を早めに着替えるなどの工夫が効果的です。

3. 学校・保育園での集団生活

  • 秋は運動会、遠足、発表会などの行事が増える時期
  • 子ども同士の接触が増え、風邪や感染症が広がりやすくなる
  • 乾燥した環境ではウイルスが空気中に長く漂うため、同じ教室にいるだけでも感染リスクが上がる
  • 咳やくしゃみをする子がいると、一気に教室中へ拡散してしまうことも
  • 免疫力の弱い子どもは特に影響を受けやすい
まいこ@保育園看護師まま

家庭で「手洗い・うがい・咳エチケット」を習慣づけておくと、集団生活の中でも自然に実践できるようになります。

秋は「乾燥」「寒暖差」「集団生活」という3つの要素が重なり、子どもが風邪をひきやすい環境がそろっています。

ただし、ちょっとした意識や工夫(加湿・衣服調整・生活習慣)で予防は可能です。

親が理解して準備しておくことで、子どもを元気に秋冬へ送り出せます。

肌を守る秋の乾燥対策

1. 保湿は朝と夜の2回が基本

子どもの肌は水分保持力が弱く、秋になると粉をふいたり赤みが出たりします。

保湿剤は「お風呂上がり」と「朝の登園前」の1日2回を目安に塗ると効果的です。

ワセリンや低刺激のクリームを薄く伸ばすだけでも十分。

特に頬や手の甲など外気にさらされる部分は重点的にケアしてあげましょう。

2. 衣服の素材選びも大切

乾燥した肌は刺激に敏感。

化学繊維のチクチクでかゆみを感じることもあります。

綿素材やガーゼ素材など肌にやさしい服を選ぶと安心です。

3. 入浴時の注意

熱いお湯や長風呂は肌の乾燥を進めます。

38〜40℃のお湯に短めに入り、ゴシゴシ洗いは避けましょう。

泡でやさしく洗って、すぐに保湿をするのがポイントです。

喉を守る秋の乾燥対策

1. 室内の加湿を工夫する

乾燥はウイルスが好む環境をつくるだけでなく、喉や鼻の粘膜を傷め、風邪にかかりやすくしてしまいます。

理想は湿度40〜60%。

加湿器がある場合は湿度計をチェックしながら調整しましょう。

「加湿器がない」というご家庭でも大丈夫。濡れタオルを部屋にかけたり、洗濯物を室内に干すだけで湿度が自然に上がります。

子ども部屋や寝室など、長く過ごす場所を中心に工夫すると効果的です。

2. 水分補給をこまめに

喉を潤すことは乾燥対策の基本ですが、子どもは「喉が渇いた」と自覚しにくいものです。

遊びに夢中になって水分を忘れてしまうことも多いため、保護者の声かけがとても大切です。

おすすめは、白湯・麦茶・水などカフェインレスで常温のもの。

冷たい飲み物は胃腸に負担をかけることもあるため、秋冬はなるべく避けると安心です。

外遊びから帰った後や入浴前後など、タイミングを決めて習慣づけすると無理なく続けられます。

3. マスクやガーゼを活用

外出先ではマスクをすることで喉の乾燥や飛沫感染を防げます。

サイズの合った子ども用マスクを選ぶと、嫌がらずに装着しやすいです。

夜間に咳が出やすい子には「濡れタオルを枕元に置く」「寝室に加湿器をつける」などの工夫が効果的。

また、マスクが苦手な子は、ガーゼを軽く口元に当てて寝るだけでも呼気の湿度を保てます。

小さな工夫で喉の潤いをキープできるのです。

食事でできる風邪予防

1. ビタミンA・Cで粘膜を強くする

  • 効果:鼻や喉の粘膜を健康に保ち、ウイルスの侵入を防ぐ。
  • 食材例
    • ビタミンA:にんじん、かぼちゃ、ほうれん草、レバー
    • ビタミンC:みかん、いちご、ブロッコリー、パプリカ

秋冬は「にんじん+みかん」のようにセットで摂ると効果的。

2. タンパク質で免疫力アップ

  • 効果:免疫細胞や抗体の材料になり、風邪に負けない体をつくる。
  • 食材例:鶏肉、魚、卵、大豆製品(豆腐・納豆・味噌など)、乳製品

朝ごはんに卵、夜ごはんに魚や豆腐など、毎食に少しずつ取り入れるのがポイント。

3. 発酵食品で腸を元気に

  • 効果:腸内環境を整え、免疫力を底上げする。
  • 食材例:ヨーグルト、納豆、キムチ、味噌汁

腸は“免疫の要”。
毎日1品、発酵食品を食事に加えると風邪予防につながる。

生活習慣でできる乾燥&風邪予防

1. 睡眠をしっかりとる

  • 睡眠中に体は成長ホルモンを分泌し、免疫細胞も活発に働く
    夜更かしが続くと免疫力が下がり、風邪をひきやすくなる
  • 目安時間 小学生低学年なら9〜10時間、園児なら10〜11時間の睡眠が理想的です。
  • 工夫ポイント
    • 就寝の30分前にはテレビやゲームをやめて、静かな時間を過ごす。
    • 寝る前に部屋を加湿しておくと、喉や肌の乾燥対策にもなります。

2. 規則正しい生活リズ

  • 食事や就寝・起床の時間がバラバラだと、自律神経が乱れて体調を崩しやすくなる
    規則正しいリズムは免疫力の土台づくり
  • 工夫ポイント
    • 朝はカーテンを開けて太陽光を浴びる(体内時計をリセット)。
    • 朝食をしっかり食べることで、体温が上がり活動スイッチが入る。
    • 夕食は寝る2時間前までに済ませると、消化が整い眠りやすくなります。

3. 外から帰ったら手洗い・うがい

  • 手にはウイルスが付着しやすく、鼻や口を触ることで体内に侵入する
    乾燥した環境ではウイルスが長く生き残るため、こまめな手洗いが重要
  • 工夫ポイント
    • 手洗いは「石けん+流水で20秒以上」が基本。
      歌を歌いながら洗うと子どもも楽しく続けられます。
    • うがいは水でも十分効果的。
      外から帰ったら「うがいしてからおやつ」にすると習慣化しやすいです。
    • 保育園児などまだ上手にうがいできない子は、「ぶくぶくうがい(口に含んで吐き出す)」から始めるのがおすすめ。

「睡眠」「生活リズム」「手洗いうがい」という毎日の習慣は、一見地味ですが風邪予防のいちばんの近道です。

特別な道具やお金がかからない分、家庭で意識するだけで効果がぐんと高まります。

保育園や学校での工夫

1. マスクの着用や咳エチケットを習慣づける

  • 風邪やインフルエンザは咳やくしゃみで広がりやすい
    乾燥で喉が弱っていると、少しの咳でも感染リスクが高まる
  • 具体例
    登園・登校時に「今日はマスクをつけようね」と声をかける。
    家で咳やくしゃみのときは「腕で口をおさえるんだよ」と練習しておくと、集団生活の中でも自然にできるようになります。

2. ハンカチやティッシュを常備する

  • 乾燥で鼻水が出やすくなったり、咳き込んで唾が飛んでしまうことも
    清潔を保つためには“自分専用のケア用品”を持たせることが大切
  • 具体例
    • ハンカチは必ずポケットに入れる習慣をつける。
      キャラクターやお気に入り柄を選ぶと子どもも進んで持ってくれる。
    • ティッシュはポケットティッシュケースに入れるとぐちゃぐちゃにならず清潔に使える。
    • 「鼻水が出たらどうするの?」と声かけして、家庭でシミュレーションしておくと安心です。

3. 先生への声かけで連携する

  • 集団生活では先生が全員の体調を細かく見るのは難しいので、家庭からのちょっとした情報共有が役立つ
  • 具体例
    「昨晩から咳が少し出ていますが、元気なので登園させます」
    「肌が乾燥してかゆがっています。保湿剤は朝塗ってきました」
    このように短い一言を伝えるだけで、先生も注意して見てくれます。
    早めの対応につながり、症状の悪化を防ぐことができます。
まいこ@保育園看護師まま

ちょっとした工夫で子どもも親も安心

マスクを習慣にしたり、ハンカチやティッシュを持たせるのは大きな負担ではありません。

ほんの少しの意識で、集団生活での風邪や乾燥トラブルを減らすことができます。

まとめ

秋は空気が乾燥し、子どもが風邪をひきやすい季節。

肌や喉の乾燥を放置すると、かゆみや咳、さらには風邪やインフルエンザのきっかけになります。

しかし、毎日のちょっとした工夫で子どもの体はぐんと守ることができます。

  • 肌は毎日しっかり保湿
  • 喉は加湿と水分補給で守る
  • 食事・睡眠・生活習慣で免疫力アップ
まいこ@保育園看護師まま

家族みんなで「乾燥対策」を習慣にして、元気に秋を過ごしましょう。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメント一覧 (1件)

コメントする

目次