
「プライベートゾーンの話って、いつからすればいいんだろう?」
「うちの子、まだ小さいけど早すぎない?」
そんなふうに迷う親御さんは多いと思います。
でも実は、プライベートゾーン(=水着で隠れる部分は自分だけの大切な場所)についての性教育は、乳児期から少しずつ始めてOKなんです。
この記事では、年齢ごとの伝え方と、実際に人気のある王道絵本をご紹介します。
絵本なら親子で自然に話せるきっかけになりますよ。
まいこ@保育園看護師まま参考にしてみてくださいね!
プライベートゾーンの話はなぜ必要?


- 子どもが「自分の体は自分だけのもの」と理解できるようになる
- 性被害を防ぐ力になる
- 自分の気持ちを大切にする自己肯定感にもつながる
学校や園任せにするのではなく、日常の中で親から少しずつ伝えていくことが大切です。
年齢別|伝え方とおすすめ絵本


乳児(0・1歳向け)
この時期はまだ言葉を理解するのは難しいですが、スキンシップを通して「体は大切」というメッセージを自然に伝えられます。
お風呂や着替えのときに「これはおてて」「これはおなか」と声をかけるだけで、安心感と学びが育ちます。


『くっついた』 三浦 太郎
赤ちゃんとお母さん、お父さんの「くっついた!」の繰り返しが楽しい絵本。
ほっぺや体を合わせることで、自然に「からだは大切であたたかいもの」と感じられます。
『おふろでちゃぷちゃぷ』 松谷みよ子
お風呂でのスキンシップをテーマにした名作。
リズムのある文章で読みやすく、入浴時の声かけともリンクします。
「からだを洗う=大事にすること」というメッセージを伝えやすいです。
2・3歳(言葉が少しわかる時期)
言葉の理解が進んで「なに?」「どうして?」と聞いてくる時期。
ここからは「水着で隠れる部分は自分だけの大切な場所」という考えを少しずつ伝えられます。


『いやだ!いやだ!』 せなけいこ
「いや!」と言えることの大切さをシンプルに描いたロングセラー。
小さな子が共感しやすいストーリーで、自分の気持ちを伝えることが「からだを守る」ことにつながると自然に感じられます。
『だれのあし?』 きむらゆういち
動物たちの足を見て当てる参加型の絵本。
遊びながら体の部位に興味を持てるので、からだへの意識を育てる導入にぴったり。
「自分の体って特別なんだ」という気持ちにつながります。
4・5歳(会話ができる時期)
自分の気持ちを伝えられるようになる時期。
園生活の中でも友達とのやりとりが増えるので、「自分の体を守る」力を絵本を通して学ばせてあげましょう。


『だいじだいじどーこだ?』 遠見才希子
プライベートゾーンを考える入門としての王道絵本。
男の子目線で描かれており、「自分の体は自分で守るんだ」というメッセージが自然に伝わります。
読み聞かせのあとに、子どもが「いやって言ってもいいんだよね」と自分の気持ちを言える自信を持つきっかけになる一冊です。
『わたしのからだはわたしのもの』
こちらは女の子目線の絵本。
イラストが優しく、女の子が「いや」と言うシーンに共感しやすいです。
娘さんがいるご家庭では特におすすめ。
読んだあと「わたしもいやって言っていいんだ」と子ども自身の言葉で表現してくれることも。
小学校低学年向け
学校生活や友だちとの関わりが増え、時には「いや」と言えない場面も出てきます。
そんなときに「信頼できる大人に相談する」ことを学んでおくと安心です。


『うみとりくのからだのはなし』 遠見 才希子
双子の「うみ」と「りく」。
そっくりだけど感じ方が異なる双子を通じて、体の大切さや自己決定の重要性を学べます。
「触るのも見るのも自分だけの、とくべつ大事な場所、プライベートパーツとは?」といったテーマを、やさしい言葉で伝えます。
『あかちゃんがうまれるまで』 遠見 才希子
「ぼく」の目線で描かれ、四季の移ろいとともに、生命が胎内で芽生え、育ち、誕生するまでの過程をやさしく伝えます。
赤ちゃんができる仕組みや産婦人科での診察の様子、胎児の成長も、わかりやすい絵と語り口で紹介されている一冊。
さらに、帝王切開や不妊治療などさまざまな生まれ方にも触れ、命の尊さを伝える内容になっています。
伝えるときの工夫と注意点


日常の自然な場面で
「よし、今日は性教育をしよう!」と特別に構える必要はありません。
お風呂や着替えのときなど、親子がリラックスしている自然な場面で触れるのがおすすめです。
例えば「ここは自分だけの大事なところだから、誰にも触らせちゃいけないんだよ」と短く伝えるだけでも十分。
日常に溶け込むからこそ、子どもも受け止めやすいのです。
前向きな言葉で
「怖いから守る」「危ないからダメ」ではなく、「大切だから守る」「あなたの体はあなただけのもの」と伝えると、子どもの心に安心感が残ります。
禁止や恐怖で伝えると“怖い話”になってしまいますが、前向きな言葉を選ぶことで“自分を大切にすること”として前向きに理解できます。
質問は避けずに答える
「なんで?」「どうして?」と聞かれると、大人でもドキッとするものです。
とっさに「あとでね」とごまかしたくなることもありますが、子どもはそこで「聞いちゃいけないことなのかな」と感じてしまうかもしれません。
完璧に答える必要はなく、「うーん、ちょっと恥ずかしいけどね」「まだ小さいから簡単に言うとね…」などと前置きしながら、短くシンプルに答えるだけでOKです。
恥ずかしさは共有してもいい
大人自身も、この話題をするのは照れくさいですよね。
でも、その気持ちを素直に言葉にしてみるのもひとつの方法です。
「ママもちょっと恥ずかしいんだけど、大事なことだから一緒に考えたいな」と伝えると、子どもは「恥ずかしい気持ちがあっても話していいんだ」と感じます。
親子の関係がよりオープンになり、子どもも安心して質問できるようになります。
起こりやすいことを想定する
絵本を読んだあと、子どもが保育園や学校で「ここはプライベートゾーンなんだよ!」と友達に言うこともあるでしょう。
先生や友達が戸惑うこともありますが、それは子どもが理解している証拠。
そんなときは「自分で学んだことを伝えられたのはすごいね」と肯定してあげましょう。
子どもの自己肯定感や、知識を自分の言葉にして伝える力につながります。
無理に教えようとしない
「きちんと伝えなくちゃ」と力を入れすぎると、子どもにとって重く感じることもあります。
大切なのは“知識を詰め込むこと”ではなく、“話していいんだ”という空気を作ること。
絵本をきっかけに「どう思った?」と軽く会話を広げていくだけでも、子どもはしっかり学びを吸収しています。
親が困ったときの逃げ道フレーズ集


子どもにプライベートゾーンの話をするのは、親にとっても勇気がいること。
とっさに言葉が出てこないときや、恥ずかしくて口ごもってしまうときもあります。
そんなときに役立つ“逃げ道フレーズ”をいくつかご紹介します。
- 「ちょっと恥ずかしいけど、大事なことだから話すね」
親の気持ちを正直に伝えることで、子どもも安心して耳を傾けやすくなります。 - 「まだ全部は分からないかもしれないけど、少しずつ一緒に考えよう」
子どもにとって“今すぐ完璧に理解しなくてもいい”という安心感になります。 - 「ママ(パパ)も子どものころに教えてほしかったことなんだ」
自分ごととして伝えると、説得力が増し、子どもも自然に受け止めやすくなります。 - 「分からないことは一緒に調べてみようか」
親も完璧じゃなくていいんだ、と子どもに伝えつつ、知識を一緒に探す姿勢を見せられます。





この3つを押さえておくと、会話がぐっとラクになります。
まとめ


プライベートゾーンの話は、「まだ早い」ではなく「今から少しずつ」が大切です。
子どもにとって“自分の体を大事にしていいんだ”という気づきは、安心して成長するための土台になります。
親も完璧でなくて大丈夫。
日常の中で少しずつ伝えたり、一緒に考えたりする姿勢こそが、子どもにとっての安心につながります。
そのきっかけとして絵本を取り入れると、自然な会話が生まれやすくなります。



「守るべきこと」だけでなく、「自分を大切にできること」を親子で学んでいけるといいですね。










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