「ほっぺが赤くてちょっと熱っぽい。風疹かな?」
風疹(三日はしか)は子どもでは比較的軽く済むことが多い感染症です。でも、妊娠中の方に感染すると赤ちゃんに重大な影響を与えることがあります。
子どもを守るだけでなく、周囲の妊婦さんを守るためにも正しく知っておきたい病気です。
- 風疹の症状と特徴
- 先天性風疹症候群(CRS)とは何か
- いつ病院に行くべきか
- 登園の基準(発疹が消えるまで)
- MRワクチンで予防できるか
風疹(三日はしか)ってどんな病気?症状の特徴
風疹は風疹ウイルスによる感染症です。飛沫感染で広がります。「三日はしか」とも呼ばれ、麻疹(はしか)より症状が軽く3日ほどで回復することが多い病気です。
ただし、感染しても症状が出ない不顕性感染が約15%あり、気づかないうちに周囲にうつしてしまうことがあります。
主な症状
- 発疹:淡い赤色の小さな発疹が顔から全身に広がる(2〜3日で消えることが多い)
- 発熱:38℃前後(出ない人もいる・約半数)
- リンパ節の腫れ:耳の後ろ・後頭部・首のリンパ節が腫れる
- 関節痛:特に成人女性で起きやすい(一過性)
💡 潜伏期間は14〜21日(平均16〜18日)です。発疹の出る1週間前ごろから感染力があります。症状が出る前からうつる可能性があるため注意が必要です。
麻疹(はしか)との違い
麻疹は高熱・コプリック斑・強い全身症状が特徴ですが、風疹は症状が全体的に軽く、発疹も淡い色で短期間で消えます。リンパ節の腫れが目立つのも風疹の特徴です。
いつ病院に行く?受診のタイミング
風疹が疑われる場合は、受診前に電話で「風疹の疑いがある」と伝えてください。特に産婦人科や小児科の待合室には妊婦さんがいることがあります。感染拡大を防ぐために、別室での対応をお願いできる場合があります。
受診の目安
- 顔から全身に赤い発疹が出た
- 耳の後ろや首のリンパ節が腫れている
- 周囲に風疹の人がいる・流行地域に行った
- ワクチン未接種または1回しか接種していない
⚠️ すぐ受診が必要なサイン
・皮膚に点状の出血斑が出た(血小板減少性紫斑病の可能性)
・ひどい頭痛・けいれん・意識がおかしい(脳炎の可能性)
・ぐったりして反応が乏しい
これらのサインがある場合はすぐに受診してください。
自宅でできるケアのポイント
① 安静と水分補給
発熱やだるさがある間は体を休ませましょう。こまめな水分補給が大切です。
② 発熱のケア
つらそうな場合はアセトアミノフェン(カロナールなど)で発熱をコントロールしましょう。
③ 発疹への対処
かゆみが出ることがあります。強くかかないよう爪を短くしておきましょう。かゆみが強い場合は受診して抗ヒスタミン薬を処方してもらうと楽になります。
先天性風疹症候群(CRS)について
風疹で最も注意が必要なのが先天性風疹症候群(CRS)です。妊娠中(特に20週頃まで)の方が風疹に感染すると、お腹の赤ちゃんにウイルスが感染し、生まれてくる子どもに様々な障がいが現れることがあります。
⚠️ 先天性風疹症候群(CRS)の主な症状
・先天性心疾患(心臓の異常)
・難聴
・白内障・緑内障(目の異常)
・発育の遅れ
感染時期と赤ちゃんへの影響:
妊娠12週まで:約85%の確率でCRSが発生
妊娠13〜16週:約50%の確率でCRSが発生
妊娠20週以降:CRS発生はほとんどない
💡 保育園に通うお子さんが風疹にかかった場合、周囲に妊娠中の方がいないか確認することがとても大切です。妊婦さんへの感染を防ぐために、感染拡大を止める行動をとりましょう。
その他の合併症について
- 血小板減少性紫斑病(3,000〜5,000人に1人):皮膚に点状の出血が出る
- 急性脳炎(4,000〜6,000人に1人):頭痛・けいれん・意識障害
- 関節炎(成人の5〜30%・一過性):手指や関節のこわばり・痛み
治療薬について
風疹には特効薬がありません。治療は対症療法が中心です。
- 発熱・倦怠感にはアセトアミノフェン(カロナールなど)
- かゆみには抗ヒスタミン薬
- 安静・水分補給
登園の基準|いつから保育園に行っていい?
学校保健安全法施行規則 第19条(出席停止の期間の基準)
発疹が消失するまで
発疹がすべて消えたことを確認してから登園OKです。
💡 風疹も医師の登園許可証(意見書)が必要な疾患です。発疹が消えたからといって保護者だけの判断で登園させず、医師に確認してもらいましょう。
ワクチンで予防できる?
風疹はMRワクチン(麻疹・風疹混合)の2回接種で予防できます。定期接種(無料)です。
- 1期:1歳(定期接種・無料)
- 2期:小学校入学前1年間(5〜6歳・定期接種・無料)
- 2回接種で95%程度が免疫を獲得できる
⚠️ 妊婦さんはワクチンを打てません
MRワクチンは生ワクチンのため、妊娠中は接種できません。また、接種後2か月間は妊娠を避ける必要があります。妊娠前にワクチンを2回接種しておくことが最大の予防策です。
周囲の大人(特にパートナー・祖父母)も接種歴を確認し、未接種の場合はワクチンを検討しましょう。
日頃の予防方法
- MRワクチンを2回きちんと接種する(最重要)
- 母子手帳で接種歴を確認する
- こまめな手洗い
- 感染者との接触を避ける
- 周囲に妊婦さんがいる場合は特に感染拡大に注意する


まとめ
- 風疹は「三日はしか」とも呼ばれ、子どもでは比較的軽く済むことが多い
- 約15%は症状が出ない不顕性感染。気づかないうちにうつすことがある
- 妊娠中(特に20週まで)の感染は赤ちゃんに重大な影響(先天性風疹症候群)を与える
- 特効薬はなく、対症療法が中心
- 登園基準は「発疹が消失するまで」
- 医師の登園許可証が必要な疾患
- MRワクチン2回接種で予防できる。妊娠前の接種が最大の予防策
参考文献・根拠法令
学校保健安全法(昭和33年法律第56号)第19条、同施行規則第18〜19条
こども家庭庁「保育所における感染症対策ガイドライン」(2018年改訂版・2023年5月一部改訂)
国立健康危機管理研究機構(JIHS)「風しん(詳細版)」
厚生労働省「風しん」「MRワクチン」
日本小児科学会 予防接種・感染症対策委員会
※本記事は一般的な情報提供を目的としています。お子さんの症状や状態については、必ずかかりつけ医にご相談ください。

