「突然けいれんが始まった!どうしよう!」
熱性けいれんは、突然やってきます。しかも、目の前で起きたときの衝撃は、経験した人でないとわからないほど怖いものです。
「冷静に」と書かれているけれど、我が子が目の前でけいれんしているのに冷静でいられるお母さんなんていない。それでも、「これだけは知っておいてほしい」ことを、保育園看護師として・3人の子どもを育てるママとして、お伝えします。
- 熱性けいれんとは何か(頻度・年齢・特徴)
- けいれんが起きたときにやること・やってはいけないこと
- 救急車を呼ぶタイミング
- 脳への影響・後遺症・てんかんとの違い
- ダイアップ(予防の坐薬)の使い方
- 保育園・幼稚園への預け方
熱性けいれんとは?

熱性けいれんとは、38℃以上の発熱をきっかけに起こるけいれん発作のことです。主に生後6か月〜5歳ごろの乳幼児に見られ、小児の約7〜10%が経験するといわれています。
珍しいものではありませんが、初めて目の前で見たときの衝撃は大きく、「脳に何か起きているのでは」「死んでしまうのでは」と感じるほど怖い体験です。
💡 熱性けいれんの基本
- 対象年齢:生後6か月〜5歳ごろ
- 頻度:子どもの約7〜10%が経験
- 持続時間:多くは1〜2分で自然におさまる
- 発熱との関係:体温が急に上がるタイミングで起きやすい
どんな症状が出るの?

けいれん中は、以下のような様子が見られます。
- 白目をむく・目が上を向く
- 手足が硬くつっぱった後、ガクガクとふるえる
- 意識がなくなる(呼びかけに反応しない)
- 唇や顔色が青くなることがある
- けいれんがおさまった後は、ぐったりしたり眠ったりする
初めて見ると「呼吸が止まっているのでは?」と感じることがありますが、けいれん中は一時的に呼吸が浅くなるだけで、けいれんがおさまれば自然に戻ります。
けいれんが起きたとき:まずやること

✅ けいれん中にやること
- 体や顔を横向きに寝かせる(吐いたときに詰まらせないため)
- 時間を計る(スマホのタイマーなどで何分続いているか確認)
- けいれんの様子を観察する(できれば動画撮影)
- まわりに危ないものがあれば遠ざける
🚨 けいれん中にやってはいけないこと
- 体を強く揺さぶる・押さえつける
- 口の中に指や割り箸などを入れる(舌を噛まないように…は誤解です。かえって危険)
- 水を飲ませる(誤嚥の危険があります)
- 抱き上げて走る(転倒や衝撃の危険があります)
まい@保育園看護師まま「揺さぶってはいけない」ということは、医療の知識として知っていました。でも、実際に目の前でけいれんしている子を見たとき、知識があっても焦るんです。我が子だったら、なおさらそうなると思います。「冷静に」って言葉が書いてあっても、冷静でいられるお母さんなんていない。だからこそ、とにかく救急隊へ連絡する、ということを覚えておいてほしいです。
救急車を呼ぶ目安

熱性けいれんで最も大切な判断が「5分」です。
- けいれんが5分以上続いている
- けいれんがおさまったのに、意識がなかなか戻らない
- 1日に2回以上けいれんを繰り返している
- けいれん中に呼吸が止まっているように見える
- 体の片側だけがけいれんしている
⏱️ 「5分」がなぜ目安?
けいれんが5分以上続く場合、自然におさまらず薬で止める必要が出てくることがあります。また、髄膜炎や急性脳炎など、緊急性の高い別の病気の可能性もあります。5分が近づいていると感じたら、ためらわず119番を。
初めてのけいれんの場合は、5分以内におさまって意識が戻っていても、その日のうちに医療機関を受診してください(夜間・休日は救急病院へ)。熱性けいれんかどうかの診断をつけてもらうこと、次回への備えを相談することが大切です。

よくある心配・Q&A

初めてけいれんを経験したお母さんから、よく聞かれる心配をまとめました。
ダイアップ(予防の坐薬)について

熱性けいれんを繰り返すお子さんには、かかりつけ医からダイアップ(ジアゼパム坐薬)が処方されることがあります。
💊 ダイアップとは?
脳の過興奮を抑えることで、けいれんを予防する薬です。発熱の初期に使うことで、けいれんを起きにくくする効果があります。
使い方のポイント
- 使うタイミング:体温が37.5〜38℃に達した時点で使用(熱が上がりきってからでは予防効果が弱まります)
- 2回目の使用:1回目の使用から8時間後に2回目を使用する
- 他の坐薬との順番:解熱の坐薬と同時に使う場合は、ダイアップを先に入れ、30分以上あけてから解熱剤を使用する
⚠️ 副作用として出ることがあること
使用後にふらつきや眠気が出ることがあります。薬の効果で脳の活動を一時的に抑えているためで、自然におさまります。
🚨 ダイアップが必要かどうかはかかりつけ医に確認を
熱性けいれんを起こしたすべての子にダイアップが必要なわけではありません。使用の判断や具体的な使い方は、必ずかかりつけの先生に相談してください。

保育園・幼稚園に通っているお子さんへ

熱性けいれんの既往があるお子さんを保育園・幼稚園に預けることを、心配しているお母さんもいるかと思います。
ダイアップが処方されているお子さんについては、かかりつけ医の指示書と保護者の依頼があれば、多くの保育園・幼稚園で預かることができます。(園の方針によって対応が異なりますので、事前に確認してください。)
まい@保育園看護師まま保育園看護師として、ダイアップが処方されているお子さんも預かっています。必要な手続きを経た上で、安心して預けてもらっています。使い方についての詳しい指示は、かかりつけの先生に確認してもらうようにお伝えしていますが、「いざというとき助けてもらえる」と安心して通園していただけたら嬉しいです。
園に伝えておくとよいこと
- 熱性けいれんの既往があること
- ダイアップを処方されているかどうか(園に預けるかどうかも含めて)
- 前回のけいれんの様子・持続時間
- かかりつけ医・緊急連絡先
まとめ
- 熱性けいれんは子どもの7〜10%が経験する、決して珍しくないもの
- けいれん中は横向きに寝かせ・時間を計る。揺さぶるのはNG
- 5分以上続く場合は迷わず119番。初めての場合はおさまっても受診を
- 短時間でおさまったけいれんで後遺症が残ることは基本的にない
- ダイアップの使い方・必要かどうかはかかりつけで確認を
- 保育園への預け方は、園に早めに相談しておくと安心
「冷静に」なんてできない。それでいいんです。でも、「5分が目安」「横向きに寝かせる」「119番」この3つだけでも、頭の片隅に入れておいてもらえたら、いざというときの動きが変わります。
一人で抱え込まず、かかりつけの先生に「次にどうすればいいか」を聞いておくことが、一番の安心につながります。

