「2週間以上咳が続いているけど、肺炎って言われた。でも元気そう…」
それ、マイコプラズマ肺炎かもしれません。
マイコプラズマ肺炎は「歩く肺炎」とも呼ばれ、比較的元気なのに肺炎になっているのが特徴です。
保育園看護師ママとして、マイコプラズマ肺炎のすべてをわかりやすく解説します。
- マイコプラズマ肺炎の症状と「歩く肺炎」の意味
- 普通の咳との見分け方
- 感染経路と感染しやすい時期
- 治療方法(抗菌薬について)
- 保育園への登園基準
- 自宅ケアのポイント
マイコプラズマ肺炎ってどんな病気?
マイコプラズマ肺炎は、肺炎マイコプラズマ(Mycoplasma pneumoniae)という細菌が原因の感染症です。ウイルスではなく細菌が原因ですが、抗菌薬(抗生物質)が必要です。
5〜12歳の学童期に多く見られますが、保育園児(3〜5歳)でも感染します。秋〜冬を中心に年間を通じて流行し、数年おきに大きな流行が見られます。2024年は特に流行が大きく、1999年以降で最多の報告数となりました。
🚶 「歩く肺炎(Walking Pneumonia)」とは?
肺炎なのに比較的元気に動き回れることから「歩く肺炎」と呼ばれます。
ふつうの肺炎と違い、ぐったりせず普通に生活できることが多いため、気づくのが遅れやすい肺炎です。
マイコプラズマ肺炎の症状と経過
潜伏期間は2〜3週間(14〜21日)と長め。感染してからすぐには症状が出ません。
典型的な症状の経過
| 時期 | 症状 |
|---|---|
| 発症初期 | 発熱(38℃前後)・頭痛・倦怠感・のどの痛み |
| 1〜2週間後 | 咳が強くなる(乾いた咳・止まりにくい) |
| 長期化 | 咳が3〜4週間続くことも。夜間・朝方に強くなりやすい |
マイコプラズマ肺炎の特徴的な咳
- 乾いた咳(コンコン・ゴホゴホ)で痰が出にくい
- 咳の発作が続き、止まりにくい
- 夜や明け方に特に強くなる
- 2週間以上続く
- 熱が下がっても咳だけ残ることがある
⚠️ 普通の風邪とここが違う
普通の風邪は1〜2週間で自然に回復することが多いですが、マイコプラズマは咳が2〜3週間以上続くのが特徴です。「咳が長い」「熱が下がっても咳が続く」と感じたら受診を。
まい@保育園看護師まま保育園でも「咳だけ2週間以上続いている」という子がいると、マイコプラズマを疑うことがあります。本人は元気そうに見えるのに咳が止まらないというのがポイントです。「元気だから大丈夫」と思わずに、長引く咳は受診してみてください☺️
感染経路と予防方法
マイコプラズマ肺炎は飛沫感染・接触感染で広がります。感染した人の咳・くしゃみのしぶきや、手を介してうつります。
潜伏期間が2〜3週間と長いため、誰からうつったかわからないことがほとんどです。家庭内や保育園内での感染も多く見られます。
- こまめな手洗い・手指消毒
- 咳エチケット(マスクの着用)
- 換気をしっかり行う
- 十分な睡眠と栄養で免疫力を保つ
治療について(抗菌薬のこと)
マイコプラズマ肺炎は抗菌薬(抗生物質)による治療が必要です。ウイルスが原因の風邪には抗菌薬は使いませんが、マイコプラズマは細菌なので治療に使います。
主な治療薬
| 薬の種類 | 特徴 |
|---|---|
| マクロライド系 (クラリスロマイシンなど) | 第一選択薬。子どもに使いやすい。ただし耐性菌が増えている |
| テトラサイクリン系 (ミノサイクリンなど) | マクロライドが効かないときに使用。8歳以上が対象 |
| キノロン系 (トスフロキサシンなど) | 耐性菌にも有効。小児でも使用可。副作用に注意 |
⚠️ 耐性菌について
近年、マクロライド系の抗菌薬が効かない「マクロライド耐性マイコプラズマ」が増えています。薬を飲んでも3〜4日たっても改善しない場合は、必ず受診し、医師に伝えてください。
保育園への登園基準
🏫 発熱や激しい咳が治まり、日常生活ができる状態になれば登園できます。
マイコプラズマ肺炎は学校保健安全法の出席停止疾患には指定されていませんが、保育園によっては「登園届」の提出を求める場合があります。
次の状態になってから登園を検討してください。
- 熱が下がり、24〜48時間以上安定している
- 激しい咳が治まっている(咳が少し残る程度はOKのことも)
- 元気が戻り、食事が食べられる
- 抗菌薬を適切に服用中(開始から数日以降)
まい@保育園看護師まま「まだ咳が少しあるんですが…」とよく聞かれます。マイコプラズマは咳が長引きやすいので、咳が完全に止まるまで待っていると長期間休むことになってしまいます。熱がなく元気で、咳のひどさがある程度落ち着いていれば、主治医に相談して登園の判断をしてもらうのがいちばんです☺️
自宅ケアのポイント
水分補給と安静
- 水分(お茶・経口補水液・牛乳など)をこまめにとる
- 熱がある間は安静に。無理に動かさない
- 食欲がなければ消化のよいもの(おかゆ・うどんなど)から
咳のつらさを和らげるために
- 室内を乾燥させない(加湿器・濡れタオルなど。湿度50〜60%が目安)
- 横になると咳が出やすいので、上半身を少し起こして寝かせる
- 夜間の咳がひどいときは医師に相談して咳止めを検討する
- 抗菌薬は指示された日数を飲みきる(途中でやめない)
⚠️ こんな症状があれば急いで受診を
- 呼吸が速い・苦しそう(胸やお腹が上下に動いている)
- 唇や爪が青ざめている(チアノーゼ)
- 高熱(38.5℃以上)が3〜4日以上続く
- 咳がひどくて眠れない・食事がとれない
- 抗菌薬を飲んでも改善しない



まとめ
✅ 原因は「肺炎マイコプラズマ」という細菌。ウイルスではない
✅ 「歩く肺炎」と呼ばれ、比較的元気なのに肺炎なのが特徴
✅ 咳が2〜3週間以上続く、乾いた咳が特徴的
✅ 抗菌薬による治療が必要。指示通りに飲みきる
✅ 熱が下がり激しい咳が治まれば登園OK(園の基準を確認)
✅ 呼吸が苦しそうなときは急いで受診する
「2週間以上咳が続いている」「熱は下がったのに咳だけ残る」というときは、マイコプラズマを疑って早めに受診してみてください。
早く診断・治療できると、お子さんも家族もぐっと楽になりますよ☺️
参考文献・情報源
・こども家庭庁「保育所における感染症対策ガイドライン」(2018年改訂版・令和5年5月一部改訂)
・日本小児科学会|学校、幼稚園、保育所において予防すべき感染症の解説
・国立健康危機管理研究機構(旧:国立感染症研究所)|マイコプラズマ肺炎
・文部科学省|学校保健安全法
監修:保育園看護師ママ|当記事は一般的な情報提供を目的としています。症状が心配な場合は必ず医療機関を受診してください。

