
「うちの子、お昼寝しないけど大丈夫?」
「保育園で午睡が長いと、夜の寝かしつけが大変で…」
未就学児の子どもを育てていると、午睡(お昼寝)にまつわる悩みはつきません。
実際、子どもの体や脳の成長には午睡が大切といわれていますが、「年齢によってどのくらい必要なのか」「無理に寝かせるべきなのか」と迷う保護者も多いはずです。
この記事では、午睡の必要性・年齢別の目安時間・最近の子どもの昼寝事情・午睡の上手な取り入れ方を、保育園看護師の視点もまじえて解説します。
まいこ@保育園看護師まま最後には体験談も紹介するので、日々の子育ての参考にしてみてください。
午睡はなぜ必要?その役割とは


午睡は単なる「お昼の休憩」ではなく、子どもの発達に欠かせない役割を担っています。
特に未就学児の時期は心身の成長が著しく、質の良い休息がそのまま健やかな発達につながります。
1. 脳の発達をサポート
乳幼児期の脳は、大人以上のスピードで新しい情報を吸収しています。
言葉、体の動き、友達との関わり……毎日が学びの連続です。
- 睡眠中には記憶の整理や定着が行われるため、午前中に体験したことが午後の休息で脳にしっかり刻まれる
- 午睡をとる子どもは、集中力や学習能力が高まりやすいという研究報告も



午睡は「学んだことを定着させる時間」と考えるとわかりやすいです。
2. 成長ホルモンの分泌
子どもの体の発育に欠かせない成長ホルモンは、夜だけでなく日中の睡眠でも分泌されます。
- 成長ホルモンは骨や筋肉を育てるだけでなく、免疫機能や代謝にも関与
- 疲労回復や細胞修復の役割もあるため、午睡でしっかり休むことは病気に負けない体づくりにつながる



活発に動き回る年齢だからこそ「休む=成長する」時間が必要です。
3. 情緒の安定
午睡をとった日は午後もごきげんに遊べるのに、足りない日は夕方にぐずぐず……そんな経験はありませんか?
- 午睡不足は不機嫌・癇癪・集中力低下につながりやすく、ストレスとなる
- 午睡で一度リセットすると、午後の活動がスムーズになり、夜の入眠も楽になることが多い



午睡は「午後を気持ちよく過ごすためのリフレッシュ時間」と言えます。
まとめ
午睡は、
- 脳の発達(記憶の整理・学びの定着)
- 体の発育(成長ホルモンの分泌・免疫強化)
- 心の安定(気分のリセット・機嫌改善)
この3つを同時にサポートしてくれる、子どもにとってとても大切な習慣です。
ただし、年齢が上がるにつれて必要な時間は変化していくため、「何時間寝かすか」ではなく「子どもの成長やリズムに合った休息をとれているか」がポイントになります。
年齢別・午睡時間の目安


午睡の時間は子どもの成長とともに変化します。
以下は目安であり、個人差があることを前提にご覧ください。
| 齢 | 午睡の回数 | 午睡時間の目安 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 0歳(新生児〜1歳) | 3〜4回 | 1回30分〜2時間、合計4〜5時間 | 昼夜の区別がまだはっきりせず、こまめに眠る |
| 1〜2歳 | 1〜2回 | 1〜2時間×1〜2回 | 活動が増えるが、まだまとまった午睡が必要 |
| 3歳 | 1回 | 1〜2時間 | 午後の1回が中心、保育園でも全員が午睡する年齢 |
| 4歳 | 0〜1回 | 30分〜1時間(必要に応じて) | 午睡なしで過ごせる子も増える |
| 5〜6歳 | ほとんどなし | 0〜30分程度 | 就学に向けて午睡は減少、夜の睡眠が中心に |



重要なのは「午睡だけでなく、夜の睡眠を含めたトータルで考えること」です。
最近の子どもの午睡事情


近年、子どもの午睡スタイルには少しずつ変化が見られます。
- 保育園では年中・年長も午睡を実施する園が多い
一方で、小学校入学準備として「年長は午睡なし」に切り替える園もあります。 - 夜更かし・デジタル機器の影響
テレビやタブレット、スマホの使用が増え、夜の寝つきが遅くなる子も。
その結果、日中に強い眠気を感じ、午睡が欠かせないケースも見られます。 - 個人差の広がり
同じ年齢でも「まだ2時間ぐっすり寝る子」と「横になるだけで十分な子」がいるのが現状です。



つまり、一律で「この年齢は午睡不要」とは言い切れず、子どもの生活リズムや体調を見て調整することが大切です。
午睡の上手な取り入れ方|前・中・後のポイント


午睡前の工夫
- 活発な遊びから静かな遊びへ切り替える
- 絵本の読み聞かせや音楽でリラックス
- 「寝かしつけ」ではなく「横になって休む時間」と伝える
午睡中の工夫
- 無理に寝かせなくても「体を横にして目を閉じる」だけで休息になる
- 薄暗く静かな環境がベスト
- 保育園では安全のため、定期的な呼吸・体動チェックも行われます
午睡後の工夫
- ゆっくり起こす(急に活動に入ると不機嫌の原因に)
- 水分補給や軽いおやつでリフレッシュ
- 午後の活動にスムーズにつなげる
体験談|わが家の場合


音楽を取り入れてみたら…
最初は「お昼寝なんてしない!」と布団に入るのを嫌がっていたわが子。
そこで、落ち着いたオルゴール音楽を流してみました。
すると「寝はしないけど、曲が流れると横になる」という習慣がつき、次第にそのまま眠る日も増えていきました。
午睡リズムを合わせると楽に
兄弟で午睡時間をそろえてみたところ、日中の活動にメリハリが出て生活しやすくなりました。
特に下の子が昼寝をしすぎると夜の寝かしつけが大変だったのですが、リズムを合わせることで改善。
さらに気づいたのは、午睡のリズムが整っている方が、夜の寝つきもスムーズだということ。
わが家では「午睡を少なくすれば夜早く寝るのでは?」と試したこともありましたが、逆に疲れすぎてしまい、布団に入ってもゴロゴロしてなかなか眠れないことがありました。
結果的に、午睡時間をしっかり確保してリズムを整えるほうが、子どもも元気に過ごせて夜も自然に眠れるようになったのです。
「寝なくても休む」でOKと考える
どうしても寝ない日は「休めたから良し」と割り切るようにしました。
無理に寝かそうとするより、生活全体のリズムを見直す方が子どもも親も楽になります。
まとめ


- 午睡は子どもの脳・体・心の発達を助ける大切な時間
- 必要な時間は年齢ごとに変化し、個人差も大きい
- 最近は夜更かしや生活リズムの乱れで午睡が必要な子も増えている
- 大切なのは「寝ること」より「休む習慣を持つこと」
- 保護者は「無理に寝かせる」のではなく、子どもの様子を見て柔軟に調整することがポイント
「寝なかったからダメ」ではなく、生活の中に“休息のリズム”を組み込むことが、子どもにとっても親にとっても安心につながります。



完璧でなくて大丈夫。
ゆっくりと我が子のペースをみつけていきましょう。














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